微小領域流体計測 マイクロPIV・マイクロLIF

マイクロPIV・LIFシステム

マイクロPIV・LIFシステム

マイクロPIV・マイクロLIFとは、微小流動(マイクロフルイデクス)の流速分布や混合、拡散状況を解析するためのシステムです。顕微鏡などの光学系や、専用のトレーサー粒子等マイクロPIV用のコンポーネントを組み合わせることでシステムを構築します。近年のマイクロTASやラボオンチップと呼ばれるマイクロバイオ・ケミカルチップの開発の場で広く使われています。

特徴

特徴
  • アベレージコリレーションやSAT-PTV等、マイクロPIV用に開発されたさまざまな最新のマイクロPIV解析技術が豊富に盛り込まれています。
  • 2DマイクロPIVや3DマイクロPIV,共焦点マイクロPIVなどさまざまなタイプのマイクロPIVシステムをラインナップしており、マイクロフルイディクス技術の研究開発をサポートしています。
  • SAT-PIVアルゴリズム
    SAT-PTVアルゴリズム(※1)はブラウン運動の影響を大幅に軽減することが可能な速度解析アルゴリズムです。ブラウン運動はマイクロPIVにおいて最も重要なエラー要因です。 西華デジタルイメージのPIV解析ソフトウエアKoncertoⅡではマイクロPIVに特化した解析アルゴリズムを組み込むことで、精度の高い解析を実現しています。SAT-PIVアルゴリズム詳細はこちら。

アプリケーション

アプリケーション
  • μTAS
  • Lab on a chipのマイクロフルイデクス
  • ピエゾ素子
  • MEMS・BioMEMS
  • マイクロ化学プロセス

システム一覧

マイクロPIVシステム

共焦点スキャニングマイクロPIVによる100umマイクロチャンネル内の流流速分布

共焦点スキャニングマイクロPIVによる
100umマイクロチャンネル内の流速分布

従来型のダブルパルスタイプマイクロPIV(2D、ステレオ3D)、時系列マイクロPIVのほかに共焦点スキャニングマイクロPIV等さまざまなタイプのマイクロPIVシステムをラインナップしています。専用のマイクロ光学系は高出力パルスレーザー、UVレーザーにも対応可能なモデルをラインナップしています。焦点面を高速度ビデオのフレームに同期して高速でスキャン可能なフォーカススキャナーなどの周辺機器も用意しています。また、マイクロPIVには欠かせない蛍光粒子もトレーサー用に最適な種類を豊富に取り揃えており、カラー、サイズ、対象流体(水、有機溶媒等)に応じて選択できます。

■ ダブルシャッタータイプPIVカメラ
■ ダブルパルスレーザー 30mJ/pulse 15Hz 532nm
■ タイミングコントローラ
■ マイクロ光学系、ファイバーバンドルデリバリータイプ
■ 制御解析ソフトウェア KoncertoⅡ micro
■ 制御解析用PC

2D-マイクロPIVsisutemu(ダブルパルス型)

■ ダブルシャッタータイプPIVカメラ ×2
■ ダブルパルスレーザー 30mJ/pulse 15Hz 532nm
■ タイミングコントローラ
■ マイクロステレオ光学系 ファイバーバンドルデリバリータイプ
■ 制御解析ソフトウェア KoncertoⅡmicro 3D
■ 制御解析用PC

3D-マイクロPIVシステム(ダブルパルス型

マイクロLIFシステム

共通点スキャニングマイクロLIFによる100umマイクロチャンネル内のPH分布

データ提供:慶應義塾大学 菱田・佐藤研究室

マイクロLIFでは濃度分布、温度分布、拡散、混合、反応、PH等の測定が可能です。専用マイクロ光学系は一般の顕微鏡では不可能な高出力のUVパルスレーザーを同軸落射照明することが可能です。

システム構成例
■ダブルシャッタータイプLIFカメラ
■ダブルパルスレーザー 30mJ/pulse 15Hz 532nm
■タイミングコントローラ
■マイクロ光学系、ファイバーバンドルデリバリータイプ
■制御解析ソフトウェア KoncertoⅡLIF
■制御解析用PC

共焦点マイクロPIV・マイクロLIFシステム

共焦点マイクロPIV・マイクロLIFシステム

共焦点マイクロPIV/LIFとは通常の顕微鏡の光学系に加え、共焦点スキャナーを使用することによりZ軸方向の分解能を上げ、高精度の計測を可能としたシステムです。
マイクロイメージングではなぜ共焦点イメージングが効果を発揮するのでしょうか?
マイクロPIVではZ方向分解能を定義するとき、焦点深度(Depth of Field、DOF)ではなく、測定深度( Measurement Depth 、MD)という概念を用います。 これはUCサンタバーバラのマインハート等により提唱された概念で、粒子像の光強度が速度測定に影響を与える程度に強く見える範囲のことで、一般的にDOFよりかなり厚くなります。通常のマイクロPIVではMDは対物レンズの設計上の焦点深度よりかなり厚くなっており、MDの厚さ内には異なる速度成分が混在するため、測定誤差になります。(図参照)、一方共焦点スキャニングマイクロPIVでは、MDを薄くすることが可能なためMDエリア内に単一の速度成分しか含まないため、マイクロフルイディクスにおいて高精度の計測分布が可能になりました。
マイクロLIFでは通常蛍光粒子は使わず、蛍光剤を液体に溶かして使用することが多く、液体自体が発光します。そのため通常の顕微鏡観察ではたとえ高NAの対物レンズを使用しても焦点面前後の蛍光発光が迷光として入射し、光軸方向(Z方向)の空間分解能を下げてしまいます。(XY方向の空間分解能に対して、Z方向の分解能が著しく低くなってしまいます。)共焦点イメージングでは焦点面前後の蛍光発光をほぼ完全にカットできるのでXY方向分解能に見合った高いZ方向分解能が得られます。

システム構成例

■ 超高感度高速度ビデオカメラ
■ 共焦点スキャナー CSU-X1
■ CW DPSSレーザー 100mW 488nm
■ フォーカススキャナー FS-100(オプション)
■ マイクロ光学系 UFS-200 ファイバーバンドルデリバリータイプ
■ 制御解析ソフトウェア KoncertoⅡ
■ 制御解析用PC


明視野画像

明視野画像

共焦点画像

共焦点画像

共焦点スキャナーの原理

共焦点スキャナーの原理

共焦点スキャナー

共焦点スキャナー

マイクロイメージング用光学系

UFS-200 UFS-500

マイクロイメージング専用の光学系は高出力パルスレーザー、UVレーザーなどにも対応でき、正立観察、倒立観察もちろん、
側方や斜めなど試料に応じてあらゆる角度に設置可能なフレキシブルな顕微鏡システムです。

高効率のダイクロイックキューブが特徴のコンパクトタイプです。
レーザー光導入用ダイクロイックミラーと対物レンズの距離を極限まで短くしてレーザー光の集光効率を高めています。
レーザー光直接導入タイプ、ファイバー導入タイプがあります。


UFS-200UFS-200

ボックス型モジュラーデザインで特にマイクロLIFに適したフレキシブルなタイプです。モジュラーデザインのインターセクションボックスには中央にダイクロイックミラー、プリズム等の光学系を格納するホルダーが配置され、左右どちら向きにもセット可能です。
また、左右と上部にフィルタースロットがあり、励起フィルター、バリアフィルター等が自由に入れ替え可能です。

UFS-500UFS-500

共焦点スキャナ CSU-W1 CSU-X1


高速低退色にライブセル観察可能なモデルで広視野・高精細モデルと超高速モデルがございます。

広視野・高精細モデル

CSU-W1

超高速モデル

CSU-X1

フォーカススキャナ FS-100

フォーカススキャナ FS-100

高速度ビデオや共焦点スキャナとの併用に適した高速タイプのマイクロイメージング用ピエゾフォーカススキャナです。顕微鏡本体と対物レンズの間に取り付けます。対物レンズを高速で上下させることで観察面を高速でスキャンするためのユニットです。

計測事例

幅100μm深さ100μmのマイクロチャンネル内を移動するカプセル状の微小液滴内部を6断面に分けて精密な測定
共焦点スキャニングマイクロPIVシステム
データ提供:東京大学生産技術研究所 大島研究室

2D-PIV微小液滴内部流動の計測

 冷却効率の確認
 空冷ファン/水冷流路の流路の確認に
 ミリスケール/マイクロスケールに対応
 特殊光学系/光学顕微鏡にも対応

冷却水流路のマイクロPIV計測事例

関連製品のご紹介