粒子分析計:PDI 流速・粒径計測 位相ドップラー式

粒子分析計:PDI 流速・粒径計測 位相ドップラー式とは

位相ドップラー粒子計測計(PDI)とは

位相ドップラー法(Phase Doppler Interferometer:PDI)とは、2本のレーザーの交差点に生じる干渉縞を、球形粒子が通過する際の散乱光を複数のディテクターで受け、その位相差から粒子径を、周波数差から流速を計測する手法です。非接触で液滴及び個体粒子の流速、粒径の計測が可能で、レーザードップラー流速計(LDV)の応用技術と言えます。

1次元~ 3次元速度分布、平均速度、RMS速度、粒子径・流速相関図、時系列データ、各種ヒストグラム(粒子径、U,V速度)、 PVC、粒子径(D10、D20、D30、D32:ザウター平均)、抜山・棚沢分布関数、Flux濃度(cc/sec/cm2)、Rosin Rammler分布関数、Log-Normal関数、メディアン分布流速域に応じてサンプリング周波数、ローパスフィルタ等のパラメーターの自動設定機能など用途に応じて、発光・受光部が分かれたモジュラー式と、一体型ターンキー式のラインナップがあります。

各種スプレー、自動車インジェクターの噴霧解析用QC装置として最適です。

 

特徴

粒子径・速度ヒストグラム

粒子径・速度ヒストグラム
  • 噴霧粒子の速度、粒子径、Flux、個数密度を同時計測
  • 時系列計測可能
  • ポイント計測(空間分解能の精度)
  • 高い計測精度と繰り返し性
  • 高速データ取り込み・解析
  • 発光系・受光系分離型とワンパッケージタイプ有り
  • オートマチックパラメーターセットアップ
  • PDIの権威者であるDr.William Bachaloが開発

システム一覧

光軸調整が不要なフルターンキー方式の1次元の粒径、粒速計測システム

1D-PDI

2波長を用いた非接触の粒子径およびUV成分速度の同時計測システム

2D-PDI

3波長を用いた非接触で粒子径及び U V W 成分速度の同時計測システム

3D-PDI

1次元の位相ドップラー式粒子分析で1~600μmの粒径に対応

ターンキー式PDI TK1

1次元の位相ドップラー式粒子分析で6~1200μmの粒径に対応

ターンキー式PDI TK2

仕様

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仕様 
測定可能粒子径 : 0.5~3,000μm(球形粒子)

■ 粒子径精度 : ±0.3μm

 測定可能流速 : -100 ~200m/sec

 速度精度 : ±0.1%

■ 
最大データレート : 250,000Drops/sec

 光源:532 nm(1次元)、660 nm(2次元)DPSSレーザー内蔵

■ 受光部スリット:50, 100, 250, 500, 1000 um 内蔵

 ディテクター:高感度フォトマル内蔵

 High Pass Filter:5,20 MHz

 Low Pass Filter:8種自動設定(100 kHz – 80 MHz)

 インターフェース:High-Speed PCI インターフェースカード

発光系仕様
口径 85 mm
ビーム径/ビーム間隔 2mm / 50mm
焦点距離1、2、3 350mm、500mm、1000mm
周波数シフト 40MHz
受光系仕様
口径 100 mm
焦点距離1 、2、3 F = 350 mm 、F = 500 mm 、F = 1000 mm 

原理

PDIの動作原理
PDIの動作原理

PDIは、LDV同様交差して測定領域を形成するため、干渉縞を形成する2つのレーザービームを使用します。適切な角度と、前方散乱方向に配置されたディテクター間のレーザー光は、流滴が通過することで錯乱されます。LDVシステムとは異なり、PDIシステムのレシーバレンズは4つのセグメントに分割され、これらのセグメントによって集められた散乱光は別々の光検出器に向けられます。各光検出器によって観測されるドップラー差周波数は同一であり、それらのいずれか1つを用いて従来のLDVのように粒子速度を推定することができます。さらに、任意の2つの信号間の位相差は、粒子または液滴の直径と、線形の関係にあります。従ってPDIにおいて位相が測定され、球状粒子の直径を推測するために使用されます。

非球形の粒子が通過した場合もドップラー信号は発生しますが、システムソフトウェアに組み込まれた独自の位相検証論理に基づいて排除されます。レーザー光が粒子に当たった場合に、光は散乱したり回折を起こしたりします。このとき、小さい粒子では散乱角が拡がり、大きい粒子では散乱角が狭くなります(ミー散乱)。 この散乱光を独立したチャネルディテクターで受光し、粒度分布を形成します。FLD-1000シリーズではスリット構造になっており、レーザー発振部、受光部を0.1m~10mの範囲でセパレートし、広範囲のスプレー計測まで対応できます。

V=σ*f V:粒子(流体)速度 (m/sec) σ:干渉縞間隔 (μm) f:ドップラー信号周波数 (MHz)

液滴などの球形粒子がこの交差ポイントを通過すると、ここで得られるドップラー周波数fは、検知器の場所によって位相ずれを起こします。この位相ずれ(位相差)が球形粒子の大きさとリニアな関係になるために、粒子径を求めることができます。2本のレーザ光を絞り、交差させるとそのポイントには規則正しい明・暗のコントラストの縞模様が生じます。これを干渉縞(Fringe)と呼び、この一定のFringe間隔は次式で求められます。この2本のレーザ光の交差したポイントに、流体中に混入された固体粒子または気体中の液滴が通過すると干渉縞はコントラストを描きます。このコントラストを受光部で検知し、電圧に変換すると、元々レーザ光のもつGaussian特性(中心部強度が大)から山なりになり、ドップラーバースト信号といわれるものが形成されます。



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